Humble Bundleの今月のChoice(月額課金サービス)に入っていたので遊んでみました。
鮫ゲーの【Maneater】目当てだったのですが、こちらもなかなか楽しめます。
多少ぼろいものの、穏やかに見える街並み。 |
●世界観とゲームの感想
地表が放射能汚染で覆われ地下へと移り住んでから150年後に地上に戻って……という【Fallout】シリーズなどでもおなじみの世界観です。
ただしこの【Endzone】の場合は核戦争が原因ではなく、お話的には今年2021年にテロリストによって世界中の原発が爆破されてこうなった、とのこと。
仮に地上の全ての原発が一斉に爆発したとしても地球への影響はそこまで大きくならないと思いますが、とりあえず汚染との戦いがこのゲームの主要素です。
特に動物への影響は未知数で、バードストライクなどは目に見えてわかりやすい被害の一端にすぎず、周辺の動物や魚に相当なストレスを与えているおそれがあります。
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住人ひとりひとりに名前と性別が存在し、結婚し、子供を為し、年老いて死ぬまでに働いた内容によって特性が与えられる……といったあたりはコロニー運営ゲームの側面もあります。
グラフィックがリアル調で住人のバストアップなども表示されるため(スカーフやマスクで顔を覆っていることが多いものの)、「ああ、酒場のマスターの○○さんね。あなたは遠征に出なくていいから街でお酒を注いでいて」などと思い入れを抱いてしまったりも。
とはいえ、この世界の住人は割とばたばたと死にます。
名前あるキャラクターが死んで代替わりしてゆく感覚は【Banished】などにも通ずるものがあります。
生き延びるための手ほどきをしれくれるアーサー。 チュートリアルをひと通り終えるだけでもなかなかの内容。 |
ゲーム進行としてはバランスの取れたリソース管理が中心です。
住人=労働力であり、いかに増やすかが重要です。
かといって調子に乗って増やし過ぎると今度は食糧と水が足りなくなり飢えてしまいます。
何が来ても安定する状態までプレイした印象では、その「安定する状態」を作り出すまでの過程を十二分に楽しめるゲームだと思います。
他の街づくりゲーム同様ではありますが、この作品の場合にはそこに放射能汚染が絡んできます。
汚染雨が混入し、飲み水を確保するための貯水槽まで汚染されてしまうと、それを除去する人員とツールが必要になります。
それらを作成し、蓄え、利用しながらからくも生き延びる人々の姿を見ると、ゲームのことでありながら「こうならないように気をつけないとね」などと思ってしまいます。
個人的には原子力発電所の生み出すエネルギーはまだまだ必要な段階にあると考えているんですが、リスクが低く、なおかつ高エネルギーを生み出せるシステムにいつか移行できると良いですね。
このゲームにおける発電手段は、研究によって風力発電と太陽熱集熱器を利用できます。
街づくりゲームでは風力発電機を並べるのもおなじみの光景ですが、現実的には発電量にも安定性にも期待できない上に騒音と振動の問題があり、周辺環境への悪影響、耐久性への懸念もあるなど選択肢としては存在しても実際に選ぶのは難しいところです。特に動物への影響は未知数で、バードストライクなどは目に見えてわかりやすい被害の一端にすぎず、周辺の動物や魚に相当なストレスを与えているおそれがあります。
洋上に風車が立ち並ぶというのもなかなかの壮観かもしれませんが、「魚が日本の海に近寄ってくれなくなりました」だなんてことになるのは嫌ですよね。
「風力発電は環境に優しい」というイメージは、それらを遠目に見ている人間だけが抱えているものかもしれません。
このゲームでは[太陽集熱器]と呼ばれる、太陽光を利用した発電設備。 夜間には電力を生み出せないため、蓄電器を併用する必要があります。 |
熱を利用するという意味で、日本のように火山がトモダチの国にはやはり地熱発電が有用なのであろうと思います。
ただ、どこそこへかまわず掘って設置できる物でもなく、あまり発電所の数を増やせないのか、総発電量に占める割合もなかなか伸びていないようです。
SF的なことを言うと、ダイソン球とかもいつか造れるんでしょうかね。
SF的なことを言うと、ダイソン球とかもいつか造れるんでしょうかね。
太陽のような恒星をまるまる覆い、そのエネルギーを余すことなく活用するという。
その太陽系、暗くなっちゃわないんでしょうか ("ω")
月面や宇宙空間で太陽光発電を行ってマイクロ波で地上に送電するだなんていう案もあったと思うんですが、どこいったんでしょう。
月面や宇宙空間で太陽光発電を行ってマイクロ波で地上に送電するだなんていう案もあったと思うんですが、どこいったんでしょう。
●攻略メモ
●全般
・遠征が大事。
遠征で[研究用具]を見つけないと高度な研究を行えない。
●住居と人口の制御
・[家]を建てると人口の増加が始まる。
[シェルター]では増えない。
・子供たちは親の荷物運びの手伝いはできるが職業には就けない。
・水や食料に余裕がない場合は[評議会]の条例で出産を抑制することもできる。
……と助言されるが、実際には使わなくても住人がすぐ死んで、その結果人口も抑制される。
●放射能汚染
・画面下部のボタンから地表放射線量を調べられる。
・汚染された場所に建造しようとすると自動的に除染も行われるが、[除染]タスクを指示することで予め取り除くこともできる。
・除染ステーションを建造して除染員を配属、除染キットを製造することで、保管庫等の備蓄品から汚染を取り除ける。
・本作の特色でもある要素だが、除染キットや防護服など各種の汚染対策が万全になると特に意識する必要もなくなる。
●生産
・職業パネルから住人をそれぞれの職業に割り振る。
・画面上部にリソースが示されており、生産調整の目安となる。
全て白字でキープしたい。
・初期設定では生産上限が低めに設定されている。
開発進行や人口の増加などに合わせ、それぞれの生産施設から上限を徐々に上げて行く。
水だけは90000と高い数値が設定されている。
●水回り
・[桟橋]を建てる際は水を集める範囲が汚染されていないか確認する。
[除染]タスクは池の中を直接指定できないが、周辺の土壌から汚染を取り除くことで一緒に消せる。
先に周辺を除染してから桟橋を設置すれば、[貯水槽]に汚染水を混入しないで済む。
その他の除染ツールや薬品など、その他の汚染対策が充実してくれば気にしなくてもよくなる。
・干ばつに注意。
池の水が干上がり、[桟橋]での水汲み、魚釣りもできなくなる。
干ばつの訪れは予め報されるので、それまでに水と食糧を蓄えておく。
最初の干ばつまでに[桟橋]と[貯水槽]、[集雨装置]や[井戸]等を建てる。
・集雨装置
気象台の設置により、雨の汚染度を計ることができるようになる。
雨がどの程度の汚染度の時ならば集雨装置と畑にカバーをかけるのかを設定できる。
デフォルト設定は「なし」。汚染水の混入を完全に防ぎたいなら「低」にするのが無難だが、その分集められる水量と収穫量は減る。
[給水塔]における炭を利用した[ろ過]とのバランスを考える。
・仮に汚染水や汚染された食品が混ざってしまった場合、それを蓄えている市場の在庫画面から在庫を破棄することで消せる。
なお、この世界の人々は被爆して多少体調を崩そうとも、森で採取したハーブなどで治療できる。
●森と収穫物
・採取できるハーブが序盤からずっと健康維持の役に立ち続けるので、ハーブ小屋の周りの森はできるだけ残す。
建造物がない限り伐採しても植林によってまた木が生えて来るので、木こりが伐ることについては気にしなくてもいい。
また序盤は炭を確保するために木を炭焼窯で焼く必要があるなど、木の需要が高い。
●廃材
・[廃材置場]を建造し、[回収業者]に住人を割り振ると周辺の[廃材]の回収が始まる。
周辺の[廃材]が無くなったら、[廃材置場]のパネルから新たな作業エリアを指定するか、新しい[廃材置場]を建造する。
・集めた[廃材]はそのまま建築資材や研究材料となるほか、[廃材処理場]で布、金属、プラスチック、電子回路(研究が必要)として回収できる。
・各遠征目標も探索後に廃材として回収対象にできる。
●物流
・最初から[未舗装道路]を作れる。
できればどのように導線を敷くのか計画してから建造物を並べたい。
・序盤は[壊れたバス]が拠点兼倉庫でもある。
生産された物資も持ち込まれるが、生産施設は立地の魅力度にマイナス影響を及ぼすのでバスの近くにはあまり置きたくない。
早めに[一時保管庫]を建てるなどして、各施設と居住区の距離を離したい。
・[市場]を建てると住人が利用する物資が集められ、そこから分配されるようになる。
流通専属の職業もある。
●立地の魅力度
・そこに暮らす住人の幸福度に影響する。
・生産施設と隣接する住居の魅力低下は装飾品でカバーできるが、最初から離しておくほうが無難。
●電力
・電力が通じていなくても施設は稼働するが、作業効率と住人の幸福度に影響するため、可能な限り電力を行き渡らせる。
発電所と充電池を設置するには、それぞれ研究が必要。
・電柱を建てて配電する。その際電線も自動で配線される。
既に電気が供給されている建造物もノードとして配電を中継できるように見えるが、建造物間の配電は行われないのでつないだつもりでもつながっていないことがよくある。
ちゃんと電柱を建ててつなぐほうが無難。
あまりきっちり建物を並べすぎると、電柱を建てるスペースがなくなる。
最悪、電柱は道にも置ける。
●研究
・[研究施設]を建設し[研究員]を配置することで研究ポイントが貯まっていく。
・研究ポイントと各資源を利用して研究を行う。
様々な建造物や条例などをアンロックできる。
研究内容によっては遠征で発見できる[研究用具]が必要なものもある。
遠征で[研究用具]を取得するたびに研究可能な段階が上昇する。(消耗品ではない)
●砂嵐
・地表に放射能汚染がばら撒かれると共に建物が破損する。
建設工に暇があるなら自動で修繕してくれるので、序盤や低難易度ならさほど気にするほどではない。
建造中の建物パネルから修理を優先するように設定もできる。
●遠征
・さらなる研究に必要な[研究用具]を発見できるなど、ゲーム攻略において重要。
・[遠征隊本部]を建造すると周辺地域の大きな残骸に偵察員を派遣して調査できるようになる。
管理は報告アイコン(画面上部並びに遠征隊本部のパネルに表示される)か、遠征隊本部の[遠征ウィンドウ]から行える。
・遠征隊はひとつしか派遣できないが、その間にも偵察員は別の場所の調査に向かえる。
何もしていない偵察員は携行食の生産に当たる。
遠征の手順
1.住人を偵察員に割り当てる。
2.遠征ウィンドウを開き、どの場所に偵察員を送り込むか決定。
3.偵察員が現場に到着するとレポートが上がる。
4.住人と携行食、道具を集めて遠征隊を送る。もしくは保留する。
5.(送った場合)現地に到着した遠征隊に探索指示を出す。
6.発見した物を持ち帰る。
7.遠征済みの場所に回収マークをつけ、廃材として回収する。
・遠征ウィンドウから偵察員を送り込み、目標の場所の情報を得る。
・情報を得られたら、遠征ウィンドウのその目標地点を再び選び(複数の場所に偵察員を送っている場合、異なる地点が表示される可能性がある)から遠征隊を編成し、送り込む準備を整える。
・特に指定のない場合、遠征隊員には住民か建設工から選ぶのが無難。(職業に就いている者を選ぶと生産や活動が停止する場合がある)
・バッジ(それぞれの職種についての熟練技能を示すもの)を要する箇所はそのバッジを身につけた住人が現れるまで後回しにする。
・ポイント=携行食を多く持たせるほど特別な調査にトライできる回数が増える。
・指定のバッジを有する人間や道具、防護服を持たせると役立つ。
・遠征を決定すると、召集→各々の準備→必要な携行食と道具の確保が始まり、それらが完了すると出立する。
なお、出立から目的地への到着までに隊員に死者が出ると遠征が中止される。
老人が老衰で死ぬこともあるので、できれば遠征隊から老人は外す。
・遠征隊が到着すると、どこから調べるか指示を出せる。
場所によってはポイントを消費しつつ調べて行く。
・全ての場所を調べ終わったら、物品を回収して帰還させる。
「フルパック」を選択すれば、残り食糧で確保可能な最大量を自動で選んでくれる。
・原子力発電所跡に偵察員を送るとこの世界に何が起こったのかその一端を知ることができる。
(原発が悪いんじゃなくてテロリストが悪いんだと思いますが、なぜか人類全体に対して偵察員が怒り出します)
●防衛
・ゲームが進行するとレイダーの襲撃を受け始める。
防衛のために塔を建て、民兵を指定する。
民兵は実際に戦闘するほか、塔へ弾薬を持ち込む役も担っているので、最初は事前に住人を民兵へと変えておく必要がある。
二回目以降は残弾があれば民兵のままにしておく必要はない。
・致死性の弾丸と非致死性のゴム弾を選べる。
製作段階でどちらかを選び、選んだほうを塔の側でも指定する形になる。
・チュートリアルでは襲撃が確定しているが、サバイバルやシナリオモードでは事前にレイダー側から要求があり、それに応じることで襲撃フェイズをパスできる。
要求される物資量は回を重ねるごとに増加する。
●シナリオ攻略
●『賭け』
・最終的に植物の種(畑用/果樹園用どちらでも可)を10種類集めればクリア。
・遠征で温室の残骸、コンバインなどから種を探す。
・残りの種は交易所での取引で入手する。(オーレ・ソーレンセン=食品を中心に扱う笠をかぶった丸ゴーグルの男から確認)
この人を通信で指名して来てもらい、種を集めました。 ちなみに派手なエンディングとかはありません。 |
なお、Steam版の『シナリオ:賭け』クリア実績の取得率は2.2%ほどの模様。
「種を交易所での物々交換で入手できる」という点に気づかれなかったのでは。
墓地から一斉に昇る天灯(スカイランタン)。 シナリオクリアまでに、少なくともこれ以上の数の住人が死んでいます。 汚染や疫病への対処に最善を尽くしても、老衰は避けられません。 |
TRPGを扱ったSFファンタジー小説【神様もサイコロを振るかもしれない】
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