主人公ひとりで、とある惑星を「クラフト」していきます。
※この記事にストーリーに関する直接的なネタバレはありません。
TRPGを扱ったSFファンタジー小説【神様もサイコロを振るかもしれない】
冒頭10%を無料でお楽しみいただけます。
まだアーリーアクセス期間だそうですが、 既に作品のテーマやゲームシステムの重点は充分伝わる出来です。 |
●感想
ひとことで言えば【Subnautica】の地上版とでも言った感じの作品でしょうか。
サバイバル物らしく、空腹、渇き、酸素残量を示すゲージがあり、どれかが底を突くと死に至る点も同様です。
この作品の場合には直接的な脅威となるクリーチャーは存在しません。(いずれバージョンアップで追加される可能性はあります)
横たわる宇宙船の残骸。 どの残骸も【Subnautica】ほど内部は入り組んではおらず、 サバイバル要素もきつくないので、余裕を持って探索できます。 中に何かが棲みついていたりしたらよりスリリングだったかもしれませんが、 それはもう別ゲームになっちゃうかも。 |
収集と建造に関しては【No Man's Sky】等SF系類似作品の簡略版といった趣きで、手に持ったマルチツールで吸い取るようにアイテムを集める感覚もよく似ています。
土台や階段はオートでスナップしてくれないので、狙った形に建造するのがやや面倒。
そもそも現段階では置けるオブジェクト自体が少ないので、特に階層化する必要もなかったりしますが。
ロケーションとしては荒れ野に等しい地へ辿り着いたような状況から始まります。
テラフォーミングの見どころである「空が青くなる」という変化については、ひとつの通過点としてデモ版でも体験できるので、とりあえずそこまでトライしてみるのもよいかと。
さらにテラフォーミングが進行すると緑と水辺が広がります。
スタート地点であるポッドの位置は変わりますが、マップは固定のようです。
「探索してくれ」と言わんばかりに宇宙船の残骸が目に入るので、それらを調べるために下準備が必要となります。
【Satisfactory】のような明確なチュートリアルやガイドはありませんが、差し当たり製作目標が示されており、それらをこなしていくことで基本的な進め方を学べるようになっています。
流れとしてはオーソドックスなもので、ある物を作り、ある条件を達成するとある物がアンロックされ、またそれを作り……といった繰り返しで展開されていきます。
これらを食・水・酸素という3つのサバイバル要素を満たしながら進行します。
仮にいずれかのゲージが空になる=死亡した場合も、最後に入った安全な屋内に戻されるだけで、特にペナルティはないようです。(荷物をその場に落としたりもしない)
食事と水ゲージは半分に、酸素ゲージはフルまで戻ります。
("ω") この辺りを優しさと捉えるか、緊張感に欠けると捉えるか、評価が分かれそうですね。
[簡略か省略か]
ちょっと気になったのが、電力と送電の要素について。
【Planet Crafter】界では謎のテクノロジー(マイクロ波送電?)によって電線が必要ないのですが、電力網を形成するという建築系ゲームにとって魅力的な要素がひとつ省かれてしまっているようにも感じられました。
簡便ではあるのですが、いや、そこは電線を結ばせてください、とも思うわけで。
面倒くささとやりがいって紙一重だなぁ、と。
電線が必要ない点もまた、意見が分かれそう。 総発電量と消費量を一括して確認できるパネルが便利。 |
[今のところ……]
正直な感想として、ゲーム内世界が【Subnautica】ほど神秘性を醸すようには組み上げられておらず、探索への意欲や未知の場所への好奇心をそこまでくすぐられることもありません。
アイテム収集や集積に関しても、インベントリ枠の少なさ、スタックできない点、サバイバル要素など、【Subnautica】の面倒くさい部分を引き継いでしまったような感じです。
インベントリが少ないなら少ないで、【No Man's Sky】のように、たとえ一方通行であってもアイテムの転送手段が用意されてさえいれば、単純な行ったり来たりを省けたのではないかと。
また、素材の採集、運搬、収納といった部分に【Factorio】や【Satisfactory】等の自動化要素があれば(収集自動化に関してはのちにアンロックされる)良かったかな、と。
【No Man's Sky】などでも同じことが言えるのですが、私の場合は手動でのアイテム収集が楽しいのはゲーム開始後しばらくの間だけのことで、あとは掃除機をかけてゴミ拾いを続ける感覚に変わってしまいます。
("ω") 最初の5分くらいは楽しいんですけれどね。演出的には気持ちいいですし。
現段階では類似作品の縮小版といった印象に留まっています。
あまり創作性を伴わない単調な作業の連続に終始し、全体としてもまだまだ要素不足気味でモチベーションを保つのが難しい……といったところでしょうか。
プレイ感そのものは悪くないので、これから製品版へ向けてどのような形でゲーム性を高め、どれだけコンテンツを拡充させていけるのかに総合的な完成度がかかっていると思います。
謎空間に入り込んでしまったりも。 |
【No Man's Sky】か見えすぎ、というのもあるかもしれませんが、 もうちょっと星がきらめいていてもいいかな、と。 それとも、もしかしてこの星は―― |
●攻略メモ
・スタート地点のポッドにある箱に最低限の食糧、水、酸素カプセルなどが入っている。
これらを持ち出さなくともゲームを進められるが、緊急時には迷わず使ってしまってかまわない。(食糧以外はすぐに作れるようになる)
このポッドの位置は新規ゲーム開始ごとにランダムで変わる。
・序盤はすぐに酸素が切れてしまうので、ポッドからあまり離れないようにしながらまずは酸素ボンベ拡張を目指す。
それから資源の採集に走り、バックパック、エクソスケルトンの拡張、ツールの追加などを進める。
・酸素残量が乏しくなったらポッドに戻るか、「息継ぎ」用にひと部屋建ててそこで休憩する。
【Subnautica】とは違い、生命維持機能を働かせるための電源は必要ない。
但し、入るためのドアは別個に取りつける必要がある。
部屋同士はそのまま接続可能。(配置する際に鎖アイコンが表示される)
なお、死亡しても最後に入った安全な屋内に戻されるだけなので、特にこだわりがなければ徒歩よりも死に戻りのほうが早い。
・クラフト、生産等設備を稼働させる電力を確保するために、最初は風力タービンを建てていく。
電線は必要ないので、鉄を見つけたら吸い取って建てる……くらいの感覚でいい。
より高効率な発電設備が追加されたら取り除いてもいい。
・水は氷ひとつで作製できる。
遠出をする際には酸素カプセルと一緒に複数個携帯しておく。
・酸素ボンベの容量が増えるまで酸素カプセルを多めに携帯しておく。
III段階目を作製、装備できれば容量が280に達し、探索目標の前に小屋を建てる→探索に赴いて箱の中身をひとつ漁る→持ち帰ってしまう……という流れをカプセルなしで繰り返せるようになる。
・宇宙船の残骸探索及び、周辺の箱からの回収作業に移る。
残骸の中は暗いので、入る前にマルチツールで灯りを点けられるようにパーツをセットしておく。(点灯消灯のショートカットはFキー)
・ヒーターなどの制作に必要なIridiumは洞窟内に大量に置かれている。
1.北東の砂が流れ落ちる岩山の下に広がる洞窟。
2.南の柱の立つ広場(発電機の残骸等がある)
西の壁沿いに進むと洞窟の入り口を見つけられる。
・各設備には、ドリルなど屋外にしか設置できない物と、ヒーターなど屋内にしか設置できない物がある。
・宇宙船に放置されている機材や、残骸として転がっている物を分解・回収すると素材が丸々手に入るので、設置し直すことでそのまま利用できる。
ただし、設置するにはその技術がアンロックされている必要がある。
・アンテナを設置して範囲内にパネルを設置するとメールを受け取り読むことができる。
メールはゲームの進捗と共に追加されていくが、アンテナそのものはその都度片づけて構わない。
・Osmium, Sulfurは北の洞窟にある。
やや東側から回り込まないと辿り着けない?
・ウランが集まり原子炉を建てられるようになる頃には、電力事情はゲーム進行にほぼ問題ないレベルで充足している。
各設備を増設し、テラフォーミングを加速させていく。
●改善が求められる点
まだアーリーアクセス中ということで、今後の発展を見据えての要望をば。
・建造物の種類不足と配置難
【Subnautica】もそうでしたが、機能性を重視して箱をつなげるだけで終わってしまうのがちょっと物足りない感じ。
また、綺麗に並べたいと思ってもスナップできないのがもどかしいです。
主人公の立場としてはサバイバルに必死なのかもしれませんが、プレイヤーの立場で客観的に見ている身としてはもうちょっと色気のある要素が欲しいかな、と。
・固定かつ平坦なマップ
【Subnautica】も固定マップでしたが、あちらは上下方向=深度としてかなり凝った構造になっており、世界の深層と物語の真相を探るような楽しみがありました。
この【The Planet Crafter】の場合はほぼ平面的な設計で、「探索する」というほどの深みもない感じです。
せっかくのSF建築系なので、地下なり空中なりへの展開も欲しいところです。
そもそも上下層への移動がハシゴを介した瞬間的な演出であるため、 屋内での階層感に乏しかったりします。 |
●今気づいたんですが
そういえば【Subnautica】についての記事をこれまで不思議と書いていませんでした。
("ω") あれー? 実績コンプリートするまで遊んで、色々な感想を抱いたはずなんですが。
実績のために、というわけではないのですが、タイムカプセルも残しました。 どなたか拾ってくださったかなぁ。 |
TRPGを扱ったSFファンタジー小説【神様もサイコロを振るかもしれない】
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