2022年1月7日

【パルチザン1941】ナチス・ドイツの侵攻に抗うソ連のパルチザンを描いたRTSをクリアしました | 日本語化 | 感想と攻略メモ - Partisans 1941

 先月のHumble Choiceに入っていたもののスルーしていたタイトルなのですが、今度の小説の舞台と人物がロシア風味なものでして、勉強がてらちょこっと遊んでみました。
 ――そして「ちょこっと」のつもりがエンディングまでプレイしちゃったわけです。
 ※この記事にストーリーに関する直接的なネタバレは含まれていません。


●ゲーム概要

 第二次世界大戦中1941年の東部戦線(ソ連側の表現では「大祖国戦争」)を扱ったミッションクリア型RTSです。
 主人公はソ連のパルチザンとなり、ナチス・ドイツの侵攻に少数の部隊員で対抗していきます。
 ナチス・ドイツとソヴィエトの交戦は史実ですが、ゲームのストーリーとしてはフィクションであり、ハーケンクロイツなども描かれてはいません。
 (黒十字に留められている。SSやヒトラーの名は登場する)
 キャラクターの移動や戦闘はリアルタイムで行いますが、スローモーション機能もあるので落ち着いて操作を行うことができます。
 弾薬管理がややシビアで、多勢に対する小人数での抗戦という色合いが強く、銃撃戦よりもステルス重視の進め方に自然となるような設計だと思います。

●日本語化
 デフォルトは英語表示+ロシア語だが、ゲーム内から日本語表示に変更可能。
 SettingsのGameタブからLanguage(言語)とVO Language(吹替言語。日本語はない)を選択できる。
 適用しようとするとゲームの再起動を求められるので実行する。

●命中率表示
 初期設定ではオレンジ色の丸ゲージで示される。(オレンジの割合が多いほど命中率が高い)
 SettingsのGameタブからパーセント表示にお好みで変更可能。

●ゲームの流れ
 チュートリアルを兼ねたミッションを終えるとパルチザンの活動拠点であるキャンプへと進む。
 キャンプで1日ごとの[タスク]をこなしつつ、次のミッションが発生するまで過ごす。
 [物語]という形でキャラクター同士の掛け合いが始まり、それぞれの心情や人物像が語られていく。

●ミッションの流れ
・キャンプでの日々を幾日か過ごすと、ミッションに挑む日が訪れる。
 タスク同様に発生したミッションへ隊員を割り振る。
 参加するメンバーに[倉庫]画面から適切な装備と弾薬を配る。(出撃画面からでも可)
 出撃画面で作戦目標が確認できる。

・ミッション中にも目標が表示されているので、それらをこなすように動く。
 全体マップを開くと部隊員と作戦目標の場所を確認できる。
 目標が変更、追加されるケースもある。
 「xxを爆破する」という目標は、対象物を爆破するためのアイテムがマップのどこかで入手できるようになっている。
 (手榴弾などの爆薬物を持ち込む必要はなく、それらによって爆破することもできない)
 目標さえ達成できれば全ての敵を倒す必要はないが、経験値になるので倒せる者は倒したい。
 状況によってはスルーせずに倒していったほうがかえって安全だったりもする。

・ミッション開始時や途中で仲間が加入することもある。
 新規加入の際にはスキルポイントを振るのを忘れないようにする。
 所持品も簡素なことが多いので、手持ちに余裕があれば分け与えておく。

・作戦目標を達成し、脱出ポイントが示されたら全員でそこへ向かう。
 ミッション終了の確認ののちにクリアとなる。

・F5でクイックセーブ、F9でクイックロードが可能。
 個別のセーブも可能だが、環境によってはフルスクリーンモードでセーブ名を入力しようとするとフリーズする。
 「セーブ」をそのまま押すか、以前のセーブデータを選択して上書きするに留めるほうが無難。
 ウィンドウモードでは英語日本語共に問題なく名前をつけてセーブできる。

・ドラッグで複数の隊員を囲んだり、F1キーを押すことで全員をまとめて選択できたりする。
 同じ方面へ進めたい場合などに役立つ。
 また、そのままインベントリ画面を開くとアイテムの受け渡しを行いやすい。(近くにいない相手とはやり取りできない)

・Altキー長押しで敵やオブジェクトの位置を確認できる。
 建造物の壁や屋根などで視界が妨げられていても、輪郭が光って見える。
 敵の上で右クリック(敵の視界確認)と合わせて動向を探りたい。

・基本的には孤立した敵をナイフキルするなど、隠密行動を重視して進めて行く。
 [近接戦闘]スキルを持つ隊員にナイフを持たせて敵へとそっと向かわせる。
 メインに射撃武器、サブとしてナイフを装備している場合、Vキーで切り替えるのを忘れないように。(間違えると発砲し、音で周囲の敵に気づかれる)
 銃を撃たずにナイフで一人ずつ片づけていくのが理想だが、敵が固まっていたり、振り返るのが早くて死体を運んで隠す暇がないなど、ままならないシチュエーションも多々ある。
 スローモーション(デフォルトはスペースキー)を活用して複数のメンバーを同時に行動させ、処理していく。
 [近接戦闘]が高いメンバーが複数いれば、同時に忍び寄ってまとめて始末できたりもする。

・難易度が低ければ正面から銃撃戦を重ねても進めて行けるが、そもそも完全な隠密行動(敵兵士の頭上に浮かぶ!マークを赤字にしない)を求められるミッションもある。
 敵の視線に入らぬよう確認(敵にカーソルを合わせて右クリック)したり、マップ上の隠れ場所(カーソルを合わせると目マークで示される草むらや藪など)を渡り歩きながら任務の遂行を目指す。
 途中から発見されても続行するように切り替わるが、最後まで隠密しきるつもりでプレイしたほうがかえって楽だったりもする。

・当たらない距離での無理な撃ちあいを続けていくと、弾薬が不足気味になる。
 当たる距離まで接近したり、横から回り込む。
 特にサブマシンガンは弾切れが近いので、口径の異なる二種類と弾薬を持ち歩くか、ライフル系の武器との併用を推奨。

・ガラス瓶は遠くに置いても兵士の視界に入りさえすればおびき寄せることができる。
 視界に入る場所=見えている場所なので、その兵士を倒したあと隠すまでの間に他の兵士に見つかってしまう恐れもある。

・サーチライトがわずらわしいマップでは、それらを切ることができるスイッチも大抵どこかに配置されている。
 スイッチが切られたことに気づき、点け直しに向かって来る兵士もいるので注意が必要。

●キャンプでの活動

 「タスク」という形で整理されており、どのタスクに隊員を配置するかを毎日選ぶ。
 タスクを選択後、丸枠の中に隊員をドラッグ&ドロップし、決定する。
 ミッションのある日も出撃外の人員をタスクへ割り当てられる。

・作戦
 ミッションのようにマップに移行して展開されるのではなく、成功か失敗かの判定のみが行われる。
 参加人数、資材の投入などで成功率が決まる。

・糧食の確保
 メンバーがひとり増えると1日辺りの必要食糧が5増える。
 必要分が確保できないと飢餓状態に陥り隊員の活動に支障を来すので、常に余裕を持たせておく。
 数種類の関連施設を建築可能で、採集タスクやミッション中に得た食品を調理し、数を増やせる。
 難易度イージーではタスクの[釣り]と[鶏小屋]での卵取りに割り振るだけでも足りる(22x2=44手に入る)ので、その他の施設を建設する優先度は低い。
 難易度ノーマル以降は採集と調理を併用する必要性も高まる。

・資材の調達
 建築資材、アイテムの作製、活動の支援など様々な用途に用いる。
 [伐採]タスクで入手できるほか、ミッション中にも手に入る。(持ち帰る必要がある)
 複数[伐採]できる日と一か所のみの日がある。
 [作業場]を建築すると、資材を素に手榴弾や地雷、回復アイテムを作製できるようになる。
 タスクと同様に隊員を一日それに割り当てる必要があるので、メンバーの少ない序盤は使いにくい。

●武器のアップグレード
 [武器工廠]を建設すると資材を規定数用いて武器を強化できるようになる。
 武器には灰色枠の「使い古し」、青枠の「普通」、黄色枠の「新品同様」が存在し、それぞれ1枠から3枠のアップグレード枠がある。

●キャラクターとスキルの特徴


・全般
 キャラクターはストーリーの進行と共に増えていく。
 一度加わったキャラクターが展開上一時離脱することもある。
 それぞれに使用可能なスキルが1~2種、射撃武器のパッシブスキルラインが1~2種ある。
 必要弾薬と手持ちの量を鑑みて割り振りたい。
 ミッション中に手に入るアイテムはできるだけ多く持ち帰りたいので、[バックパック容量増加]を習得させてインベントリを拡張しておきたい。
 移動速度を上げる[スプリンター]、死体の輸送速度を上げる[力]などを修得させておくとミッション全般において役立つことに加え、敵の索敵がシビアな場面を切り抜けやすくもなる。

・ゾーリン隊長
 一部の例外を除き、ほぼ全てのミッションで固定出撃するキャラクター。
 必中必殺の[投げナイフ]がとにかく強くて便利。
 隊長自ら索敵し、敵を倒し、隠し、アイテムを集めて行ける。
 孤立した敵を仕留め、草むらなどに死体を隠す……の繰り返しだけでも多くの状況を突破できるので、他のメンバーはただの荷物持ちになることも。
 射撃武器はピストルとライフルのスキルラインが存在するが、仮に射撃戦が始まった場合でも、回り込んでから[投げナイフ]を浴びせるかナイフキルしたほうが確実で弾薬も節約できるので、修得の優先度は低い。

・フェティソフ
 サブマシンガンと重火器の扱いに長けた青年。
 円錐状にサブマシンガンの弾をばら撒く[ロングバースト]という技を持つ。
 サブマシンガンは弾薬消費が激しく、ミッション中に弾切れを起こしやすい。
 ピストルで範囲内全ての敵をなぎ倒すベロゼロワの[ファンファイア]のほうが活躍の機会が多く、彼女が加入した後は正直いらない子になる。

・サネク
 [変装]によって敵情を探ったり、[スリングショット]で敵を気絶させることができる少年。
 気絶させたあとは無抵抗の敵を刺殺可能。
 [フェンス登攀]で高い壁を乗り越えることもできるので、ゾーリン隊長では辿り着けない場所から攻められる。

・ベロゼロワ
 [スプリンター]で移動速度を速め、近づいてからの[ファンファイア]で固まった敵を一掃できるロシア美女。
 ミッション中の使用回数には限りがあるものの、ピストル一丁で様々な難所を切り抜けられるアタッカー。

・ヴァリャ
 必中必殺のライフルスキル[エイムショット]を持つ、黒髪三つ編み女性。
 狙いを定めるまでにかなりの時間を要するものの、使えば倒せる便利スキルなので射撃戦が始まってしまったら仲間が狙いにくい場所にいる敵を彼女に仕留めてもらう。
 一見優しげなナースキャラだが、スキル[睡眠薬]で睡眠効果を持たせた[ボトル]を置いて引きつけた敵を眠らせたり、[クロロホルム]を嗅がせた相手を刺殺するなど、えぐい戦い方もできる。

・トロフィム
 ショットガンスキル[バックショット]で固まった敵を一掃できるお爺ちゃん。
 ただしデフォルトの移動速度が遅く、ベロゼロワなどと比べて接近までに気づかれてしまうリスクが高い。
 スキル[地雷除去]で敵側の地雷やトラップを検知できるようになる。
 こちらが仕掛けるスピードも上がるので、敵が攻めて来る方角が予告されるシーンなどで手腕を発揮できる。
 [挑発]によって敵のターゲットを引きつけられるが、ステルスプレイでは出番がない。

・モロゾフ
 範囲内の敵を引きつける[口笛]と、突進して刺殺する[リブナイフ]のコンボが強力な元囚人。
 [口笛]アイコンにマウスオーバーすると有効範囲が表示されるので、敵が固まっていてもその内一人だけを引っかけるように調整して誘い出すことができる。
 敵は口笛が聞こえた地点へと向かうので、自身が待ち構えてもよし、他の隊員に迎え撃たせるのもよし。
 隊長に[投げナイフ]で決めてもらったり、草むらに誘い入れてナイフキルするのがベターだが、口笛を吹かせたあとにモロゾフを左右に回り込ませ、死角から手っ取り早く[リブナイフ]で仕留めることもできる。
 [フェンス登攀]を習得すれば、ゾーリン隊長よりも多くの場所へ忍び入ることができる。

・ニキーチン
 ピストルスキル[ボディーシールド]で実質的に敵を1体無力化しながら自分の身を護れる人民委員。
 ゾーリン隊長の立場からは上官に当たる。
 ステルス重視のプレイであれば人の盾を構える場面はほとんどないが、いざ銃撃戦に至ってしまった場合などに役立つ。
 範囲内の敵をナイフキルするスキル[虐殺]を持つ。
 ベロゼロワの[ファンファイア]よりも有効範囲が狭く使い勝手がやや悪いが、上手く仕留めることができれば銃声を響かせずに済む。
 他のナイフ使いキャラと動き出しを合わせ、[虐殺]の有効範囲外の相手を任せれば、三体以上の敵をまとめてステルスキルできる。
 ナイフキル向けのキャラではあるが、残念ながら移動速度を上げる[スプリンター]スキルは覚えられない。
 トロフィムと同じく[地雷除去]スキルも習得可能。

●ミッション攻略メモ


・ベルタ
 「鉄道部隊を殲滅せよ 3/3」は、周辺の兵士を全滅させずとも、青服の敵を倒すだけで達成できる。
 ただし、空爆指示を出してからマップ反対側の脱出ポイントへ到達するまで警戒状態の敵の中を抜けて行かなければならないため、脱出ルート上の敵(特に犬)は倒しておいたほうがいい。
 敵の援軍もやって来るが、物陰に隠れればスルーできる。
 あらかじめ地雷やトリップワイヤーを仕掛けておくのもアリ。

・ベルリンへ!
 中央の円状の広場に犬を連れて巡回する一団が二組いる。
 南北それぞれ半分ずつ回っており、東西で顔を合わせる。
 ルート上の、他の敵に感知されない場所へ地雷を仕掛けて処理する。
 司令官のいる部屋の扉はロックされており、向かって右手の箱に鍵が入っている。
 多数の兵士が詰め、警報器が備えつけられた左右の部屋のいずれかから侵入し、部屋の扉を開けさえできればエンディング。(たとえ戦闘中であっても)
 そのままさらっと終わるので、サブ目標を達成するか否かは思い入れ次第。

●クリア後の感想
 派手な銃撃戦を重ねるタイプのゲームではないためにちょっと見た目は地味ですし、ステルスプレイが強要される場面もあるのでそちら系が苦手な人にはオススメできません。
 ゲームの流れとして、ちょっと進んでは隠れて敵の動向を窺い、隙を見てステルスキルを狙い、また次へ……失敗したらロードしてやり直し……というトライアンドエラーの連続で、ともすれば作業感もあります。
 限られたリソースでナチス・ドイツに対抗するというシチュエーションである以上、物量に物量をぶつけるような展開にはなり得ない作品であり、それが正解であるとも言えます。
 過度な期待を寄せずに「操作キャラクターとして据えられたパルチザンたちそれぞれに設定が施されており、お話がほんのりと展開されるRTS」なのだと捉えれば、それなりに楽しめる一作であると言えるのではないでしょうか。
 地道な索敵と自キャラの位置取り、そこから仕掛ける静かな襲撃とその成功から達成感を得られる方であれば、この【Partisan 1941】というゲームをプレイする価値を見出せるかと思います。

 とりあえず、人が草むらに隠れているのに、ダッシュで駆け寄り抱き着いて離してくれないわんこが厄介 ("ω";)


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