広大な箱庭空間でシームレスに展開するオープンワールド系のアクションゲーム。
主人公はタフガイ「リコ・ロドリゲス=通称スコーピオ」として、南国パナオ島の勢力争いに関与してゆく。
●アクション
左手から伸ばせる“グラップリング・フック”を使ったワイヤーアクションが特徴的です。
そそり立つ岩壁を登ったり、走っている乗り物の上から別の乗り物へ飛び移ったり、空中のヘリに張り付いたり。
「移動する」という基本の動きがまず楽しい。
シンプルに、目先10Mほどの地面に打ち込んで引き寄せれば走るよりも素早く移動できるなど、直感的かつ爽快な活用を様々な形で楽しめます。
敵とバイクをワイヤーでつなぎ、そのバイクにまたがって走り出し、ひきずって倒す、とかいう変則的な使い方も。(ヒドイ)
●パラシュート
個人的に気に入ったのが、この“無限パラシュート”。
空中にいる時ならほぼいつでも自由に開閉可能で、姿勢をコントロールしたり、そのまま目標物を銃撃できます。
「ワイヤーで高速移動している時に開いて舞い上がる」といった「自分を凧揚げ」的アクションも可能。
パラシュートの存在があるので、無駄に高いところからダイブしたくなります。
浮遊感と飛翔感を存分に味わえる要素です。
●銃撃戦・戦闘
《CoD》のようなFPSに求められる正確さは必要なく、ある程度カーソルを合わせていれば当たってくれる仕様。
適当に正面から撃ち合っても勝てますが、一応ヘッドショットの概念があるので狙ってみたいところ。
(一部の指揮官クラスの敵はヘッドショットでしか倒せないようです)
近接戦闘はワイヤーをムチのように振るだけの、やや簡素なもの。
《ソウルキャリバー》シリーズのアイヴィー並に、とまでは言わないまでも、もう少しバリエーションが欲しかったところ。
「ワイヤーを敵に撃ち込んで引き寄せる」などといった別の点で柔軟ですけれども。
《CoD》で敵にヘリを呼ばれた時のプレッシャーは相当なものですが、このゲームの場合は飛び移って奪ってしまえ、というノリ。
敵の乗り物を奪うシーンなどでは画面に現れた指示通りにボタンを押してゆく、いわゆる“QTE”が採用されています。
入力タイミングはそれほどシビアではないので安心。
――個人的にQTEって苦手なものでして。
頭を使わずとも適当に撃てば倒せるという易しめのバランスですが、だからこそひねった攻略に興じる余裕もあります。
「敵をワイヤーでガスタンクに結び付けて、C4で爆破」とか。(ヒドイ)
敵の施設へ背面から潜入しても比較的あっさり見つかってしまうので、《メタルギア》ばりのスニークアクションは期待しないほうがいいでしょう。
しかし、やれるところまではやってみたくなる柔軟性はあります。
――で、精一杯やった後に「いたぞ!」「施設内に敵の侵入を許した!」と騒がれたり。
●世界とアイテム収集
世界観自体が「武装勢力が争っている孤島」というカオスな空間なので、背徳感もなく暴れまわれます。
――その割には一般人が日常生活を営んでいる様子を伺えたりもするのですが。
《ライオットアクト》や《インファマス》のような能力者同士のバトルとはまた違う形で、身近な(?)火器とグラップリング・フックを用いた非現実的で派手なアクションが展開します。
なんといっても最大の特徴は広大なマップ。
同様の箱庭系ゲームや《オブリビオン》などのRPGと比較しても圧倒的な面積で、その広さはなんでも東京都の半分に匹敵するとか。
30分制限の体験版で遊べるのはそのごく一部のようですが、それでも「2km先のレーダー基地を目指して、強奪したセダンで走り出す」とか、「バイクで山頂まで登って、そこからダイビング」とか、「飛行機でタイムトライアル」とか、空間性をしっかり演出できていなければ楽しめない要素を味わえます。
ゲームの主要な目的として「カオスを巻き起こす」というものがあります。
政府の星印がついたオブジェクトを破壊することでパナオ島に混沌を撒き散らすというもの。
破壊手段は単純に銃で撃ってもいいし、グレネードを投げつけて爆破してもいい。
計器をコントロールしてパイプラインを破壊するなど、オブジェクトに沿った手段もあります。
巨大なクレーンをC4で倒壊させるのはまさに痛快。
●まとめ
凄いぜ、リコ・ロドリゲス。
散々撃たれてるのに死なないぜ。
――的な戦闘バランスで破壊活動をオラオラと繰り返し、車や飛行機を奪い取り、散在するアイテムを収集し、とにかく暴れ回りたいんだ、という人には超オススメ。
逆に、世界のすべてを見たい、すべてを集めたいという人は覚悟と気合いが必要なんじゃないでしょうか。
それくらい広いです。
とりあえず車やバイクで爆走するだけでも楽しかったり。
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